「to you」2023年8月号
令和5(2023)年7月25日(火)発行
令和5(2023)年7月25日(火)発行
アルフレド・ジャーさん
現代美術作家
1956年、チリのサンティアゴ生まれ。建築と映像制作を学んだのち、1982年に渡米、以後ニューヨークを拠点に活動。1980年代半ばに、写真とライトボックスを用いた作品や、屋外の広告掲示板を用いた作品を発表し、注目を集める。以来、一貫して世界各地で起きた歴史的な事件や悲劇、社会的な不均衡に対して、綿密な調査に基づくジャーナリスティックな視点を持った作品を制作。写真、映像、さらには建築的な空間造形を使い、五感に訴えかけるようなインスタレーション(空間を使った表現)が特徴。14年にフィンランドのキアズマ現代美術館で大回顧展、17年にヨークシャー彫刻公園で個展開催。ニューヨーク近代美術館(MoMA)、テート・ギャラリーなど世界の主要美術館に作品が収蔵されている。
【主な受賞歴】
グッゲンハイム奨励金受賞(1985年アメリカ)、マッカーサー・フェロー賞受賞(2000年アメリカ)、エストレマドゥーラ賞受賞(2006年スペイン)、国立造形美術賞受賞(2013年チリ)、ハッセルブラッド国際写真賞(2020年スウェーデン)、第11回ヒロシマ賞受賞(2023年日本)
第11回ヒロシマ賞受賞を記念し、現代美術館で開催される特別展を前に、アルフレド・ジャーさんにご自身の創作活動やアートの持つ役割について伺いました。
私はアートをつくる建築家です。建築家にとってコンテクスト(状況)が全てです。プロジェクトの最初に考えるのは「状況は何か」という問いで、作品はこの問いに対する回答になっています。
私は毎朝約2時間かけて40種あまりの世界各地の発行物に目を通します。その中で特定の出来事に興味をそそられると関連する資料を集め、一つのファイルにまとめます。その後も資料や情報を集め続け、その状況を十分理解し、批判的な知識を得た実感が持てたら、次にどう状況に向き合えるかを考えます。私の作品は、一つ一つこのような方法で作られています。
アーティストは世界を思考するモデル(型)をつくります。出来上がった作品は、作家が自分の考え方を鑑賞者に伝えるためのツールです。ツールとして機能するためには、作品として明確でありつつ、そこに内包されているものを伝えることに重きを置く必要があります。コミュニケーションとは、考えていることをやみくもに周りに発信することではありません。それはコミュニケ―ションではないのです。コミュニケーションとは答えを受け取ること。鑑賞者からの回答/受け答えなしには、コミュニケーションは成立しません。上手くいっている作品には、鑑賞者との間に明確なコミュニケーションが成立しています。
私は若いころからアーティストになりたかったのですが、父から建築の道に進むよう説得され、その結果、建築家として仕事をしつつアーティストとしても活動を行うようになりました。今思えば、結果的に建築を選んだことは良かったと思います。建築は私の人生を変え、建築を学んだことによって今の自分があります。実際、美術を学んだことはありません。大学時代の私は成績もよく、クリエイティブで、何よりも好奇心が旺盛でした。好奇心が何よりも大切だと感じます。私はどんなことにも興味をそそられ、常にもっと学びたい、世界を理解したいと思っていました。アートは世界を理解するための手助けをしてくれたと感じています。
「第11回ヒロシマ賞受賞記念 アルフレド・ジャー展」はこちら
笹久保伸
3,080円(税込)
発売元:CHICHIBU LABEL
発売中
ギタリストであり私の友人でもある、笹久保伸の35作目のアルバムです。
笹久保伸は、現代音楽とアンデス音楽を演奏するギタリストとして世界各国で活動しています。ペルーに4年間滞在し南米音楽を学びました。帰国後は故郷の埼玉県・秩父を独自に調査し、映画、写真、現代美術作家としても活動しています。
『MOUNT ANALOGUE』は秩父の山「武甲山(ぶこうさん)」がモデルとなっています。武甲山を見ながら存在しない山の高みを目指し登山をするというコンセプトで作られたそうです。
ちなみに最新作『Catharsis』はレコードのみの発売でしたが、最近配信でも聴くことができるようになりました。Catharsis(カタルシス)の名の通り、この曲を聴くと魂が浄化される感覚を覚えます。
笹久保伸の愛に満ちた独創的な音楽は、人々の繊細な心に寄り添い、勇気とエネルギーを与えてくれます。
久保 晴盛さん |
季節でさまざまな表情を見せる広島市植物公園。広報の久保さんに、季節の見どころや植物公園だけのコレクションを紹介していただきます。 |
正門を抜け正面の階段を登りきると、目前に見上げるばかりの巨大な大温室が迫ってきます。この大温室は、間口 35m、奥行 62m、高さ 21mの総ガラス張り(ガラス枚数約 5000枚!)で、西日本有数の規模を誇ります。
約 650種 5,000本の熱帯・亜熱帯の植物を展示しており、天井近くまで育ったココヤシやへゴなど、高さを生かした植栽は他施設では見られない目玉の一つです。
大温室のシンボルツリーは、「オーストラリアバオバブ」。平成30年(2018年)のリニューアルにあわせて、南半球のオーストラリアから約 11,000kmの旅を経て、来園しました。幹の直径は日本一で約 2m、まるで巨大な岩のような独特の姿形が魅力です。新天地の広島で元気に育っており、毎年8月~9月には純白の花をたくさん咲かせています。
スロープデッキを登ると、バナナやコーヒーなどおなじみの熱帯果樹を間近で観察することができます。また、ブーゲンビレアやハイビスカスなど、美しい熱帯の花を集めたフラワーコーナーは、写真撮影にもおすすめ。南国気分を味わえる「花と緑のワンダーランド」で、非日常の時間を過ごしてみませんか?
■サマーフェア
期間:開催中〜 8月31日(木)
天然芝の上で水遊びを楽しもう!(雨天中止)
■世界の食虫植物展
期間:開催中~ 8月15日(火)
ハエトリグサやウツボカズラなど世界の食虫植物の展示と育て方等紹介。
■盛夏のスイレン展
期間:開催中~ 9月24日(日)
熱帯性品種を中心にスイレン鉢と温室のプールで様々な品種を展示。
※「植物公園 季節の花散歩」は3ヵ月毎に掲載します。
2013年9月結成のサクソフォンカルテット。メンバーは、サックス奏者の宮田麻美さんに指導を受けた縁で集まった女性4人。皆さん中学の吹奏楽部で管楽器に触れ、それ以来ずっとその魅力にはまり続けているそうです。無理せず、楽しみながら続けることがモットーで、10周年記念コンサートでは、宮田先生をゲストに迎え、サクソフォンのオリジナル曲やバッハ、ラヴェルなどを披露します。
ウッドワン美術館へ「アートの中の自然図鑑」を見に行きました。特に気に入ったのが吉村芳生さんの「コスモス」です。写真かと思ったら、色えんぴつ(絵)だそうでビックリです。こまかく描かれていて、これが色えんぴつ、とビックリでまじまじと見てしまいます。素敵な作品です。(西区 ツカちゃんさん)
☆吉村芳生さんは「to you」の初代(※)表紙イラストを制作していただいていた先生です。300本の色鉛筆を使って毎月表情豊かな似顔絵を描いていただいていました。時間をかけて描かれた緻密な作品に圧倒されますよね。(編)
※昭和60(1985)年~平成13(2001)年。現在の表紙イラスト制作の田中聡さんは3代目です。
広島グリーンアリーナで、ブラインドサッカーの大会がありました。パラスポーツの1つで音の鳴るボールをパスやドリブルをしてゴールを目指すのですが、見えているかのようにボールを扱うテクニックにびっくりして鳥肌が立ち、一気に虜になりました。ぜひ、皆さんにも観戦をおすすめしたいです!!(安芸区 大場孝修さん)
☆全盲の選手と共にアイマスク着用で晴眼者も参加できる、障がいのある人もない人も一緒に楽しめるスポーツですよね。お互いの感覚を信じて取り組む様子は一体感が生まれて盛り上がりそうです! いつか体験してみたいです。(編)
NHKでやっているアニメ「青のオーケストラ」を見て、ヴァイオリンに興味を持ちました。定年退職を控え、なにか新しいことを始めようかと思案中なのですが、六十の手習いで人生初の楽器演奏デビューしてみようかと考えています。(中区 キョドンさん)
☆高校生が仲間と切磋琢磨して練習する姿に心打たれますよね。ヴァイオリンを弾けるようになるのは大変そうですが、1曲弾けるようになったらすごく喜びを感じられると思います。ぜひデビューしてください。(編)
「Mail Box」に投稿してくださった方には抽選でプレゼントを進呈いたします。
❶『アルフレド・ジャー展』(5組10名様)
❷八丁座・サロンシネマ共通鑑賞券(9月末日まで有効)(3組6名様)
❸レクチャーコンサート 邦楽『箏で感じる 夏の物語と そして秋』(2組4名様)
投稿は、投稿フォーム、FAX、郵送で受け付けています。詳しくは「『Mail Box』への投稿はこちら」からご確認ください。
◆締切/令和5年(2023)年8月10日(木)必着 ※当日消印有効
鳴ききって 蝉ヒロシマの 河を越ゆ
豊永 恵三郎(第32号一般の部・俳句部門)
カブトムシ 木のみつのんで おひるねだ
まつ室 ゆう太ろう(第32号ジュニアの部・小学生低学年・俳句部門)
(公財)広島市文化財団 企画事業課「to you」係
TEL.082-244-0750 FAX.082-245-0246