「to you」2024年4月号
令和6(2024)年3月25日(月)発行
令和6(2024)年3月25日(月)発行
クリスティアン・アルミンクさん
指揮者
ウィーン生まれ。レオポルト・ハーガーや小澤征爾のもとで研鑽を積み、ボストン響や新日本フィルにデビュー。ヤナーチェク・フィルの首席指揮者、ルツェルン歌劇場およびルツェルン響の音楽監督などを経て、2003~13年に新日本フィル、2011~19年にベルギー王立リエージュ・フィルの音楽監督として活躍。2017年から広島交響楽団の首席客演指揮者を務め、2024年4月に同団の音楽監督に就任する。
これまでにチェコ・フィル、ドレスデン・シュターツカペレ、フランクフルト放送響、ウィーン響、ザルツブルク・モーツァルテウム管、トゥールーズ・キャピトル国立管、スイス・ロマンド管、ボストン響、シンシナティ響、N響などに招かれ、オペラではフランクフルトやストラスブールの歌劇場、新日本フィルなどで《ドン・ジョヴァンニ》《サロメ》《ホフマン物語》《フィレンツェの悲劇》などを指揮している。2019年には小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトで小澤征爾と共に《カルメン》全4公演を指揮した。
レコーディングも数多く、ヤナーチェク・フィルとのヤナーチェク、シューベルト作品、新日本フィルとのブラームス/交響曲第1番、マーラー/交響曲第3番および第5番、リエージュ・フィルとのフランク/交響曲ニ短調などをリリース。また、シルバ・オクテット、リエージュ・フィルとの共演によるディスクがドイツ・グラモフォンからリリースされた。
2014年に広島交響楽団と初共演し、2017年からは首席客演指揮者として共演を重ねてきたアルミンクさん。音楽監督就任後初の定期演奏会を前にお話しを伺いました。
広島交響楽団(以下広響)はさまざまな時代の曲目や様式に対応できる基礎があり、オープンなオーケストラです。それぞれの楽器のスペシャリストが集まった大きなアンサンブルであると同時に、一人ひとりが優れたアーティストです。これから数年かけてモーツァルトの作品に集中的に取り組むことで、オーケストラの響きをより洗練されたものにしていきたいと考えています。
まず、指揮者は優れた音楽家である必要があります。作曲家の意図を楽譜から汲み取り、アイデア、つまり音楽を通して私たちにどのような感情を伝えたいのかを解読しなければなりません。作曲家が意図した音楽をめざして楽団員たちを導くのが仕事で、指揮者は作曲家の代弁者であるとも言えます。
リハーサルでは、指揮者は楽団員のあらゆる技術的な問題を解決する手助けをし、作曲家がどのような音を求めているかを楽団員に伝えなければなりません。指揮者としての理想は“プリムス・インテル・パレス(同輩の中の首席)”。つまり約100人のプロ奏者をまとめ、決断を下し、すべての奏者がベストを尽くせるように背中を押し、最終的に一つのメッセージを聴衆に伝える。コンサートでは、指揮者は楽団員に最大限の自由を与え、音楽の美しさと情熱を感じながら演奏するのが到達点だと思います。
首席客演指揮者として関わってきた広響と次のステップに進めることを、とてもうれしく名誉に感じています。公私にわたり長年親交のある下野竜也さんの後任なのでなおさらです。
これから、下野さんが築いて来られた広響のサウンドをベースに、私のレパートリーの中核を成す曲や皆さんにご紹介したい曲に取り組みますが、それぞれの作曲家独自の言語や個性に焦点を当てていきたいと考えています。作曲家がなぜその曲を書いたのか、あるいは何に着想を得たのか。2024 年度のテーマ《SECRETS ~音楽の不思議~》のもと、広響の楽団員や聴衆の皆さんと一緒に音符や旋律の背後に注目し、音楽の普遍的な問いへの答えや内に潜んだ秘密を見つける謎解きの旅に出かけたいと思います。
著: 背筋
KADOKAWA
自分が安全圏にいる確証が消えるような、そっと背後を確認したくなる一冊です。
私は大学生の頃、いわゆる「オカ板のねらー」でした(2ちゃんねる「オカルト板」読者のこと)。掲示板の向こう側の誰かの存在を感じる瞬間が好きで、リアルタイムのやり取りやオカルトスポットへの突撃の様子を安全圏で眺めていました。現実と虚構の線引きがあやふやになっていく不思議な感覚。今思えば、良くない夜更かしだったなぁとあきれてしまいます。
この本の著者は背筋さんという方で、ライターをされているそう。オカルト雑誌に掲載する特集のために取材を進めていると、近畿地方のある場所の怪異に繋がる文章や証言が次々と集まります。そして、一緒に調べを進めていたご友人が消息を絶ってしまいました。
ご友人を捜す背筋さんは綴ります。お読みいただき、情報をお持ちの方はご連絡くださいと。是非皆さんも読んでください。そして、見つけてくださってありがとうございます(読めば分かるはず)
広島県西部を中心に芝居やアクションをしている。殺陣芝居文化の発展を願う。演者unit炊込飯の代表。
4月20日( 土)・21日( 日) 公演「神殺しの五穀姫」(安芸区民文化センター)の原作・脚本・演出を手掛ける。
文・写真:to you 市民パブリシスト 梶川芳文
老若男女問わず、お菓子の中でも購入率の高い「かっぱえびせん」が発売(1964年)から60周年を迎えた。本日は「アレを作る驚きの工場、突撃!○○君」の乗りでカルビー広島工場の見学取材である。
「かっぱえびせん」はカルビーの創業者である松尾孝氏が広島の“川エビ天ぷら”の旨さに着想を得て誕生した。これはいつも県外の客人に広島ならではの味として“小エビの唐揚げ”を勧めている私にとって首肯するところだ。小エビは小イワシと並んで広島自慢の味に間違いないだろう。
閑話休題。正面玄関のエントランスホールには“写真映え”するディスプレイが施され、見学者はカルビーワールドへ引き込まれる。その中には昭和の茶の間を再現したセットがあり、そこにはちゃぶ台、白黒テレビの側にかっぱえびせんが置いてある。昭和の時代から「かっぱえびせん」は家族だんらんの懐かしい記憶と共にあり、60年の長さを感じる。
隣には宇品にあった旧広島工場(1949年~2006年)の模型がある。若い人の中にはカルビーが広島発祥の企業であることを知らない人も多い。郷土を代表する食品メーカーの一つであることは忘れてほしくないものだ。
次に本日の見学者8名が揃ったところで工場見学担当者からガイダンスを受けた。「かっぱえびせん」は、①原料のエビは頭から尻尾まで丸ごと殻ごと生地に練りこんでいる。②油で揚げず煎って膨らませてサクサク食感にこだわっている。③1袋製造するのに原料から出荷まで3日間もの工程を要する。など見学担当者からの説明は分かり易く、社会見学で訪れる小学生にも好評らしい。
その後、製造工程が見渡せる2階へ案内されたが、コアな場所だけあって、撮影禁止。それでも工場スタッフが25秒間の手洗い後にクリーンルームに入る様子を見るとその緊張感はガラス越しにも伝わってくる。製造工程では自動化された設備の中で大量の「かっぱえびせん」がベルト上を流れていくのにただ圧倒され続けた。この広島工場からは西日本全域に発送されている。
カルビーの社名の由来は、カルシウムの「カル」とビタミンB₁の「ビー」を組み合わせた造語で、戦後の栄養補給を願ってのもの。今もこの精神は引き継がれ、新たな社会貢献として「このえび、とーまれ!」で社会の絆をつなげる役割を果たそうとしているのか?との思いが巡る。
エビの香りとサクサク食感、口どけの良さ。薄味で飽きの来ない「かっぱえびせん」に帰途、私の食指が止まらなかったのは言うまでもない。
※「to you 市民パブリシストによるバックステージレポート」は3ヵ月毎に掲載します。
主に広島大学霞キャンパスに通う医歯薬学部の学生で構成されるオーケストラ。春と秋の定期演奏会、11月の霞祭のほか、医療機関、介護施設、イベントなど学外の演奏依頼にも積極的に対応しています。1 人の行動・演奏が全体の音に影響し、それは聴衆に伝わる。そんなオーケストラの在り方は、将来命を預かる医療従事者の生き方にもプラスになるとの思いから、音楽を通して周りと歩幅を合わせる演奏を心掛けているそうです。
練習は霞キャンパスにて、毎週水曜日18:30〜20:30と毎週土曜日13:00〜16:00。
横川落語会「古今亭菊丸独演会」へ出かけた。演目は「子ほめ」「金明竹」「味噌蔵」の三席。味噌蔵は事前に本を読み、筋を予習していたので、より楽しめた。出前で運ばせた田楽の焼けた味噌の香りと、火事で蔵の味噌が焼けた匂いを勘違いしたオチは見事で思わずため息が漏れた。しみったれ(ケチ)、どがちゃがどがちゃが( 帳面を誤魔化す様) 等の落語特有の言い回しや所作も大変面白かった。伝統芸能の素晴らしさを改めて感じた。 (佐伯区 sinceさん)
☆ 菊丸師匠はテンポの良い軽妙な語り口で、聴いていると江戸時代にタイムスリップしたかのような感覚があって引き込まれますよね。令和の今聞いても楽しく、新たな発見がある落語。これからも楽しんでくださいね。(編)
「フットボールブリッジ2024」というスポーツイベントに参加しました。年齢・性別・障害の有無もなく「ダレデモ」出来る、走らないサッカーでした! 笑顔でというルールがあり、みんなの大きな笑い声がとても印象的で、もっと多くの人に知ってほしいと感じました。 (安芸区 パープルさん)
☆ そんなスポーツがあることを初めて知りました。球技というと真剣なまなざしで戦うイメージがありますが、「笑顔で」というルールは想像しただけで楽しそう! 笑顔の輪が広がるといいですね。(編)
暖冬だった2月は、あっという間に終わりました。いつまでも寒い日が続く3月ですが、日暮れ時間が遅くなり、晴れた日の日差しの暖かさは春を感じます。先日、近所の山本川の土手でつくしを見つけました。寒いと言いながら、着実に春は来ています。我が家の春はつくし採りとともに始まります。ほろ苦いつくしを食べると、冬の毒素が消されるようです。ただ、つくしのハカマを取るのは大変なので、採りすぎにはご注意です。 (西区 平井忠博さん)
☆ つくしのハカマ、爪でこそいだりピーラーを使って取ったりするそうで大変さが伺えます。佃煮やきんぴらなどにしたら確かにおいしそうですね。つくしを見かけたら少し持ち帰ってみます。(編)
「Mail Box」に投稿してくださった方には抽選でプレゼントを進呈いたします。
❶八丁座・サロンシネマ共通鑑賞券(5月末日まで有効)(3組6名様)
❷ひろしま美術館「フィンランドのライフスタイル」展鑑賞券(5組10名様)
❸県立美術館「ブルターニュの光と風」展鑑賞券(5組10名様)
投稿は、投稿フォーム、FAX、郵送で受け付けています。詳しくは「『Mail Box』への投稿はこちら」からご確認ください。
◆締切/令和6年(2024)年4月10日(水)※当日消印有効
久びさに 「海ゆかば」歌う吾が前を 送る人なく 征きし面影
吉持 清子(第32号一般の部・短歌部門)
桜の木 こそりと芽を出す 暖かさ
山崎 璃久(第32号ジュニアの部・中学生・俳句部門
(公財)広島市文化財団 企画事業課「to you」係
TEL.082-244-0750 FAX.082-245-0246