令和7(2025)年1月30日(木) 更新
特集演劇引力廣島 第21回プロデュース公演『わたしのそばの、ゆれる木馬』
第28回劇作家協会新人戯曲賞佳作 作:仁科久美 演出:本坊由華子(世界劇団)
広島を拠点に創作を続ける仁科久美さんの作品を、オーディションで選ばれ全国から集まった俳優が熱演します。昭和、平成、令和と駆け抜けた一人の女性の物語。思わずホロリとしたり、笑えたり。性別、年齢を越えて共に楽しめる作品です。



仁科久美さんよりメッセージ
女性の生きづらさや体の悩み ホルモンを「人間」にしてコミカルに描く
3年ほど前だったか、新幹線の中でふと「女性ホルモンを人間として表現したら」と戯曲のアイデアが浮かびました。朝早かったので窓から金色の陽が差し込み、幸せなことが起こりそうな予感がしました。ただ、ひらめきは単にひらめいただけであって、そこから物語を紡ぐには力技が必要です。アステールプラザの演劇学校劇作家コースで粘り強く指導をしてくださった講師の田辺剛さん(下鴨車窓)がいなければ、最初のひらめきを、女性の生きづらさや体の悩みがテーマの作品として生み出すことができませんでした。
この戯曲は、田辺さんの次にすてきな演出家とキャスト、スタッフを引き寄せてくれました。演出の本坊由華子さんは、オーディションで、重くなりがちな物語をあえてコミカルにした私の意図を十分にくみ取った演出プランを説明してくださり、彼女ならと期待が膨らみました。もともと力のある俳優たちの魅力も引き出し、作品に生かしてくださると確信しています。
今思えば、3年前の「予感」は間違いなかったわけです。幸運を連れてきてくれた戯曲が、演劇作品として生まれ落ちる瞬間を作者として心待ちにしています。
(仁科久美さんプロフィール)
1990年中国新聞社に記者職で入社。編集局報道部、運動部、呉支社勤務を経て1999年に退社。子育てがひと段落した2010年から中国新聞グループメディア中国編集部に勤務。編集者・ライターとして広告記事の制作、中国新聞SELECTのデスク業務と記事の執筆などを続けている。戯曲の執筆については、息子2人が中高校生の頃から演劇を始めたのをきっかけに興味を持ち、「アステールプラザの演劇学校」劇作家コース]で2017年から学び始める。本格的な長編執筆は2022年から。同年、講座(講師:田辺剛)で執筆した『わたしのそばの、ゆれる木馬』が、第28回劇作家協会新人戯曲賞佳作。
出演
