特集お花見スポットにある公園トリビア
お花見スポットとして親しまれている広島城、比治山、江波山の公園。そこに残る歴史トリビアをご紹介します。
公園内にはそれぞれ個性的な文化施設もあるので、お花見とあわせてぜひ立ち寄ってみてください。
広島城~石垣に見る広島城の歴史~
1589年に築城がはじまり、毛利氏、福島氏、浅野氏が城主を務めてきた広島城。太田川の三角州にある城郭は洪水などの天災もあり、江戸時代に何度か修築がされています。石垣も場所により石材、石の積み方、加工の仕方に違いがあり、じっくり見ると歴史の痕跡が残っています。原爆で被害を受けるも、当時の姿の残る石垣。それぞれの時代で築城、補修に関わってきた人々に思いを馳せながら観察してみてください。
【写真①】
福島正則の時代(1600年-1619年)に築かれたと思われる石垣。黄色矢印は福島正則が広島城の無断修復をとがめられた時に、石垣を取り壊した跡と考えられています。しかし、将軍・徳川秀忠が取り壊しを命じたのは別の場所とされ、これに従わなかったことなどを理由に、福島正則は広島を去ることになりました。
【写真②、③】
①の石垣に積まれたいくつかの石には、加工、運搬の目印にしたかと思われるマークが見られます。
広島城では、石垣に残る歴史の痕跡、特徴を紹介する企画展を4月14日(日)まで開催中。展示の詳細や園内の見どころマップなどを公式ホームページで公開しています。
比治山~100年以上前からのお花見名所、御便殿(ごべんでん)跡広場~
日清戦争(1894年~1895年)時、広島に大本営が置かれました(現・広島城)。併せて西練兵場に帝国議会仮議事堂も建てられました(現・中区基町)。日清戦争後、仮議事堂が解体された際、内部にあった天皇の休憩所「御便殿」は広島市が譲り受けました。広島市は比治山公園の北側を広場として造成、1909年に御便殿を移築しました(現・御便殿跡広場)。広場は花見の名所として賑わい、比治山といえば御便殿と言われ、その人気は絵葉書にもなったほどです。
御便殿広場から南に徒歩5分の現代美術館。周辺には野外彫刻+桜の映えスポットが点在。美術館に野外彫刻マップ(無料)があるので、マップを片手にアート鑑賞をしながら桜巡りも楽しめます。
江波山~建築物としても魅力的な気象館~
江波山気象館の建物は、1934年に建築された旧広島地方気象台の庁舎を保存・整備し、1992年に開館しました。縦長の窓や曲線を用いた装飾に昭和モダンの風格が漂い、内部にも左官職人の腕前が光る装飾が残ります。また、建築当時は価格が高かった石材の代わりに、セメントに小石を加えた「人造石」を多用して石造りのイメージに寄せるなど、建築資材にも工夫がみられます。江波山といえばエバヤマザクラで有名ですが、原爆にも耐えた歴史ある建築物にも一見の価値があります。
江波山気象館は、気象がテーマの博物館。常設展示室では、天気予報の現場の見学、気象測器の展示、気象体験コーナーなどがあります。サイエンスショーやワークショップも定期的に開催され、親子で気象を知り、楽しむのにピッタリな施設。
ミュージアムショップでは、ふせん「えばやまざくら」を販売。(360 円)