「to you」2024年6月号
令和6(2024)年5月25日(土)発行
令和6(2024)年5月25日(土)発行
吉田 仁美さん(よしだ・ひとみ)
オルガニスト・プロデューサー
山口県出身、エリザベト音楽大学音楽部宗教音楽学科パイプオルガンコースを卒業。同大学院修士課程修了。オルガンを廣澤嗣人氏、ドイツのライプツィヒでW.シェーテリッヒ氏に師事。即興演奏と通奏低音をF.ボーン氏に師事。第3回日本オルガンコンクール第2位。広島平和記念聖堂、山口サビエル記念聖堂、国際基督教大学、愛媛聖カタリナ大学、宮崎県立芸術劇場、横浜みなとみらいホールなどで幅広くコンサート活動を行う。定期的にエリザベト音楽大学セシリアホールでリサイタルを開催。2018年に「心のこもったハーモニーを届けたい」と二野宮賀子氏、梅川美和氏と『和音』を結成し、各地の幼稚園、病院、教会などでコンサートを開催。2003年に始めた「サンプラザロビーオルガンコンサート」(年4回)の20周年記念コンサートを2024年3 月17 日に開催。1998 年から2006 年まで活水女子大学音楽学部非常勤講師。現在、エリザベト音楽大学エクステンション講師、広島サンプラザオルガニスト、広島サンプラザカルチャークラブ講師、日本福音ルーテル広島教会オルガニスト、日本オルガニスト協会西日本支部会員、NPO 法人モースト理事及びジュノー音楽祭音楽監督。
第1回目から20年間、広島サンプラザのロビーコンサート全ての企画・演出・出演を手掛けてきたオルガニストの吉田さん。語りつくせないパイプオルガンへの篤い思いを伺いました。
広島サンプラザのパイプオルガンは、2003年に船越聖二さん(佐伯区)が平和への思いとともに寄贈されたものです。私は広島のオルガニストとして、なんとしても船越さんの思いとパイプオルガンの音色を一人でも多くの人に伝えたい一心で広島サンプラザの地域貢献事業であるロビーコンサートに携わってきました。最初は企画も広報も全てが手探りで、なんと第1回目は片手で数えられるほどの来場者数でした。それでも続けていくうちに知ってくださる方が増え、今では200~250席があっという間に埋まり、常連の方もおられます。お陰様で3月に20周年を迎えることができました。20年の間には大変な時もありましたが、音楽で地域に貢献したいという志を忘れずに続けていると、活動を応援してくださる方が現れるものなのですね。ですから、若い演奏家の方には何のために自分は音楽をするのか、音楽家としての原点を忘れずに活動を続けていってほしいと願っています。
普段はロビーとして使われる場所に席を並べて即席の会場を作っていただくのですが、広島サンプラザほどパイプオルガンの演奏を間近で見ることができる場所は稀です。手と足を同時に使う楽器なので、お客様には音とともに演奏する姿も見て楽しんでいただきたいです。ストップレバーで音色を変えることができ、一台でオーケストラの演奏ができると言われています。音域も広く、繊細な音も荘厳な音も奏でることができ、いろんな楽器と合わせやすいのも特徴です。選曲はいつも熟考していて、例えば6月はサックスとの共演なので、サックスの魅力がしっかり伝わる曲を入れたい。聴き馴染みある曲や子どもが喜ぶ曲も…と毎回楽しく頭を悩ませています。アンコールには歌詞のある曲を演奏し、お客様にも歌で参加していただきます。即興の合唱なのに毎回すごい一体感で(笑)、演奏者としてはお客様と一緒に音楽を作る喜びを得ています。
広島サンプラザロビーコンサート(パイプオルガンとサックス)はこちら
著:李元淑
訳:藤本敏和
¥1,980(税込)
扶桑社
僕が愛してやまないマエストロ“チョン・ミョンフン”。そして、生演奏を聴いた時には度肝を抜かれたヴァイオリニスト“チョン・キョンファ”。彼ら姉弟の才能を開花させたお母様による自伝です。
初めて読んだのは約20 年前。どんな教育ママのスパルタが出てくるのだろうか?と思っていましたが、そんな話ではなく、複雑な感情と感動の連続でした。父となった今、改めて読み返してみると、以前に感じた高揚感に加え、親の深い愛情、凄まじい行動力、人間とは、親とは…を学べます。著者は上記の二人を合わせて9 人を出産、7 人を育てました。母の決断と行動力、兄弟が人間力を高め助け合って行く様は、僕自身も何か行動を、と心がドキドキ。朝鮮戦争の時代にこんなことができたのか…。幼き頃のエピソードなども盛り込まれ、大変興味深く、マエストロに近づいた気がしました。
チョンファミリーの音楽とともに、ぜひ。きっと新たな生きる力が…!
2000年に留学先から帰国しピアノやオペラの指揮、演出活動を展開。東京音楽大学、イタリア国立ミラノヴェルディ音楽院卒。6月28日(金)東区民文化センターでのレクチャーコンサートクラシック も
りてつや.プロデュース「オペラそうだったのか!!」~オペラテックコンサートに出演
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今月号から広島市内に加え近隣の市町にも足を伸ばして、歴史スポットを訪れます。気持ちの良い季節、あなたも「歴史たんけん」しませんか? 新たな姿の「もぐりん」と一緒にレッツゴー!
今回は、中区南吉島にある「中工場」をご紹介します。
中工場は広島市のごみ処理施設であり、一日に600トンのごみを処理できる焼却炉を備えた、市民生活に欠かせない存在です。ごみ処理の工程では、最新技術によって騒音等を出さない工夫がされているだけでなく、焼却炉の余熱で工場内のエネルギーを賄うなど、環境に配慮した施設となっています。
また、中工場は世界的な建築家である谷口吉生氏によって設計されており、周囲の環境と調和したデザインは従来のごみ処理施設にないものとなっています。建物の2階を貫くガラス張りの通路「エコリアム」では、稼働中の工場内部を見学することができ、処理設備の大きさを体感することができます。
こうした中工場ですが、そのデザインには、実は広島のまちづくりにとって重要な、いわゆる「平和の軸線」が意識されているのです。
中区中島町にある平和記念公園は、設計を行った丹下健三氏によって原爆ドーム・原爆死没者慰霊碑・平和記念資料館が、南北を貫く軸線の上に一直線に配置されており、この軸線上の景観は、平和都市広島を象徴するものとして大切にされています。中工場は、この軸線から南に向かって延びる吉島通りの、広島湾に面した南端部に位置しています。
中工場の「エコリアム」はこの軸線を建物によってふさがず、海に向かってさらに延長するよう意識して作られているのです。実際にエコリアムの入り口に立つと、南北の通路を吹き抜ける風とともに、広島の平和への祈りも感じることができるのではないでしょうか。
中工場は、有名な映画の撮影ロケ地に使用されるなど国内外からも近年注目されており、訪れた方に広島の環境や歴史、まちづくりなどさまざまなことについて考える機会を与えてくれる、素晴らしいスポットです。皆さんも、ぜひ訪れてみてはいかがですか。
※もぐりんと歴史探検は3カ月に1回掲載します。
1998年に創立した広島学院中学・高校の在校生と卒業生の保護者約40人からなるコーラスグループ。2021年からは折河宏治氏(エリザベト音楽大学准教授)の指導のもと、魚住恵氏(エリザベト音楽大学講師)のピアノ伴奏で練習に励んでいます。主な活動は約3年ごとに開催する定期演奏会のほか、広島学院文化祭ステージや慰問演奏など。練習会場は広島県民文化センターや中央公民館で、月に3回2時間程度。予約すれば見学も可能です。6月には25周年記念の定期演奏会を予定(広島市文化財団文化活動助成事業)。長年、指導を仰いだ故 藤﨑育之先生への感謝と追悼の想いを胸に、新たな一歩を踏み出す演奏会です。
米津玄師の「Lemon」や朝ドラの主題歌からイタリア歌曲まで親しみやすくバラエティーに富むラインナップで日頃の成果を披露。広島学院の音楽教諭のJAZZ演奏もある。
6月16日(日)14:00~
広島県民文化センターホール
5 月号『ひと・こえ』の手嶋勇気さん、初めてお顔を拝見しました。現代美術館改修工事の際に平和大通りで大きな作品を見かけて遠くから見たり近づいて見たりと楽しませていただいたのでどんな画家さんなんだろうと思っていました。広島愛の強い素敵な方ですね。是非コレクション展に足を運びたいと思っています。これからも『to you』楽しみにしています。 (東区 みーちゃん)
☆ 画家や作家さんは作品自体から感じる印象に加え、ご本人の姿やインタビューがあると、より深く作品世界を知ることができますよね。現代美術館での展示、楽しんでください♪(編)
「to you」5月号のアサリの記事を読み、子どもの頃、地御前によく潮干狩りに行っていた事を思い出しました。シーズンが始まると、バケツ、網、スコップ、長靴などをセットしていて、潮見表で満干時刻を調べて、「それ行くぞ!」と勇んで出かけます。掘り始めると夢中になり、引いていた海岸が少しずつ満ちてきて、貝掘りの人たちが一人減り二人減り、それでももうちょっとと頑張り、沢山収穫すると達成感に満たされました。ひと晩砂抜きするのが待ちきれないのですが、アサリが顔を出したり潮を吹いているのも楽しくてずっと眺めていました。また行って童心に戻りたいなぁ。 (中区 カメキチさん)
☆ 潮干狩り、いいですね。アサリを発見したときの喜びが想像できます。見つけた貝の模様を比べてみたりもして。アサリが手に入りにくくなっているそうですし、あの頃がより貴重な思い出ですね。(編)
広島で単身赴任生活を送っています。コロナも落ち着き、美術展や演奏会に行きたくても情報収集が難しいと思っていたところ、「to you」を知りました。小規模やアマチュアの情報も充実していて助かります。ふと予定が空いた時に、日程から探せるのもとても重宝しています。どんどん活用して、広島ライフを充実させようと思っています。 (西区 まぬけねこさん)
☆ ご活用いただきありがとうございます。小さなホールの演奏会やギャラリーの展覧会など、広島には心が豊かになるイベントがたくさんあります。ぜひお気に入りのアーティストや作家さんを見つけてください♪(編)
「Mail Box」に投稿してくださった方には抽選でプレゼントを進呈いたします。
❶『レクチャーコンサートクラシック オペラそうだったのか!!』鑑賞券(2組4名様)
❷『横川落語会 第45 回 柳家福治独演会』鑑賞券(2組4名様)
❸映像文化ライブラリー映画鑑賞会ご入場引換券(2025年3月末まで有効/1枚で2名様まで入場可)(2名様)
投稿は、投稿フォーム、FAX、郵送で受け付けています。詳しくは「『Mail Box』への投稿はこちら」からご確認ください。
◆締切/令和6年(2024)年6月10日(月)※当日消印有効
(公財)広島市文化財団 企画事業課「to you」係
TEL.082-244-0750 FAX.082-245-0246