「to you」2025年12月号
令和7(2025)年11月25日(火)発行
令和7(2025)年11月25日(火)発行
柳家福治
柱笑福(昨年度の様子)
昨年度公演の様子
黄金家鉄兵
福の神(写真:桂秀也)
昨年度公演の様子
平成29年度公演の様子
©︎映画『岡本万太』製作委員会
変化したくらしの道具(当館蔵)
「遠い風の記憶」
木村伊兵衛 秋田おばこ 大曲、秋田、1953 ⒸNaoko Kimura

イラスト/田中聡
HIPPYさん(ヒッピー)
シンガーソングライター
1980年8月8日生まれ。広島市安佐南区出身。2003年SNAIL RAMP が立ち上げた「SCHOOL BUSRECORDS」よりバンド「maegashira」でデビュー、2011年「maegashira」解散。2015年NIPPON CROWNよりメジャーデビュー。当時代表曲でなかった「君に捧げる応援歌」が、リリースから約10年を経てYouTube、TikTok共に1億回再生を超え、人から人へ広がり繋がる応援歌として各メディアにて”令和の応援ソング”として注目される。プロ野球選手の登場曲タイトル別ランキングで1位、最新アルバム「ひろいしま」はオリコンチャート2位、日本レコード協会 ストリーミング プラチナ認定を獲得など、さまざまなシーンで困難を乗り越えていく人の背中を押す歌い手として全国各地で歌い続けている。地元広島の被爆伝承事業にも取り組み「原爆の語り部 被爆体験者の証言の会」を毎月6日に開催。“朗らかな被爆伝承”を掲げ、歌と共に明るく被爆伝承の講演も行っており、訪問した学校は全国150校を超える。
オフィシャルウェブサイト
6月に広島サンプラザで開催した10周年コンサートでは、高校生の吹奏楽、合唱隊、バンドと大勢の出演者とともに感動を届けたHIPPYさん。12月はガラリと趣向を変えたステージを予定。歌に込める思いを伺いました。
■自分にとって歌詞は合わせ鏡
作詞・作曲を始めた当初は、自分が楽しく、心地よく歌うことに重点を置いて作っていました。それがふと気付くと、僕の歌に共感してくださる方が少しずつ増えていき、結果的に自分のために作った曲が誰かのためになったのかなという印象です。今も曲は実体験をべースに作っていて、歌詞は自分の合わせ鏡のように感じます。アーティスト活動をしていると、自分のために一生懸命やったことが誰かのためになり、その逆もありで、今では誰かのためになれるのなら、なに事もやってみようという考えにたどり着くことができました。
■被爆体験者の証言の会について
『原爆の語り部 被爆体験者の証言の会』を始めた故 冨恵洋次郎さんは、僕が高校球児だった頃に他校で1学年上に在籍された憧れの先輩です。被爆された方の話を会で初めて直接聞いた時、それまでどこか他人事に感じていた原爆を我が町の出来事、自分事に落とし込むことができました。冨恵洋次郎さんの力になれたらと2016年から登壇者のブッキングのお手伝いをし始め、冨恵洋次郎さん亡き後も遺志を継ぐというより憧れの先輩のお手伝いをする感覚で活動を続けています。この会のおかげで、僕は広島のことがもっと好きになりました。後ろを振り向かず、あるいは振り向けずに頑張って生き、街を復興した先人たちへの感謝の気持ち、広島の街並みを誇らしく思う気持ちを抱くようになりました。
■フェニックスホールで開催
12月のコンサートはアコースティックで、シンプルに歌をしっかりと届けます。これまで大切に、苦しみながらも書き続けてきた歌詞をダイレクトに届けたいです。お客様にはゆったりと聴いていただけるよう、チケットは2席セットのユニークな販売スタイルです。隣に誰かを招待するもよし、荷物席にしてリラックスして聴くもよし。自由にステージを楽しんでいただきたいです。個人的にもこのコンサートは新たなスタートラインという位置付けです。被爆80年の今年の締めくくりに、平和公園にある大きなホールでマイクを持ってしっかりと歌います。ぜひ聴きにいらしてください。
国川智幸さんおすすめの一冊『卒業』
著:重松清
新潮文庫刊
¥781(税込)
発売中
何度も何度も読み返しては涙した「まゆみのマーチ」
「まゆみのマーチ」「あおげば尊し」「卒業」「追伸」の四編からなる短編小説。
重松清さんの小説はいつも、人には見せたくない、心の奥底に隠している自分の弱さやズルさ、後ろめたさを見つけては、無理やり引っ張り出して、読者の感情をこねくり回し、心をズタズタにしてきます。
そして、本作もそうでありながら、「卒業」というタイトルの通り、次のステップに進むため、抱えている悩みや困難を乗り越えられそうな一筋の光も、読者に与えてくれます。
この本に出会った30 代の頃、お節介なことに、いろんな人に勧めていたのですが、◯◯が良かったと感想を聞かせてくれる作品が、それぞれ違っていたり、心に響いている箇所も違っていたりして、あぁ、本当に人それぞれの背景や経験によって、感じるものが違ってくるのだなぁと、驚いた記憶があります。
ひょっとしたら、また今、読み返すと私も、当時とは違う感想を持つかもしれません。
脳出血発症後、片手ピアノ弾き語りkuniとして演奏活動開始。12月27日(土)に南区民文化センターで「片麻痺になったけど、世界が広がりました!vol.12 3人のピアノ弾きによるおしゃべりコンサート」を開催。
(公益財団法人広島市文化財団文化活動助成事業)
詳細はこちら
| 道標と毘沙門天
今回の「もぐりんと歴史探検」は、安佐南区の権現山にある毘沙門天堂とそこに関係する道標についてご紹介します。 |
![]() もぐりん |
JR可部線緑井駅から西方向、踏切を越えてすぐ左手道路脇にブロック塀と金網の間に挟まれ、窮屈そうに石灯籠(道標)が建っています。正面には、矢印とともに「毘沙門天王へ 是より十八丁」、横面にはそれぞれ「献燈」「大正二年二月」、裏面には施主と世話人の名前が刻まれており、これが大正2年(1913)に作られたことがわかります。ところでこの場所は主要街道から少し西に外れたところにあたるのですが、なぜここに建てられたのでしょうか。この石灯籠が建てられる少し前、明治42年(1909)に横川と祇園とを結ぶ軽便鉄道が誕生し、翌年延伸されて緑井駅が設けられました。そこでこの最寄り駅から周辺地域の信仰を集めている毘沙門天堂を訪れる人への道案内として建てられたと思われます。
かつては多くの人がこの石灯籠の恩恵を受けていたのでしょうが、現在は自動車が多く行き交う道路脇に、あまり気づかれずひっそりと佇んでいます。
参道入口まで進むと、「献燈」「毘沙門天 庚子 天保十一年 正月吉日」と刻まれた江戸時代の大きな石灯籠が残っています。ここから約2キロメートル、1時間ほど歩いていくと毘沙門天堂にたどり着きます。
毘沙門天堂は権現山(標高397メートル)の中腹に建てられており、四天王の一柱である毘沙門天(多聞天)が祀られています。毘沙門天は北方を守る仏法の神様で、武装した姿をしています。中世にこの地域を支配していた武田氏が本拠地の銀山城(武田山)の北東に、鬼門除けとして建立したといわれています。毘沙門天は戦の神として有名ですが、ほかにも商売繁盛や金運、縁結びの神様としても知られており、広く信仰の対象となっています。ここでは、旧暦の正月最初の寅の日に「初寅祭」が行われ、市内だけでなく遠方から人々が訪れるなど多くの人で賑わっています。(現在は初寅の日前後の土日の開催となっています)。
緑井駅からだと少し距離がありますが、山麓の参道入口から緩やかな坂道を歩くと仁王門に着きます。そこから本堂までの石段沿いには七福神の石像や灯籠などの目を引くものがあるとともに、清々しい空間を感じることができます。みなさんハイキングに訪れてみてはいかがでしょう。
もぐりんと歴史探検は3カ月に1回掲載します。
広島修道大学軽音楽部 HCCキューバンナイツ=軽音楽=
1960年の広島修道大学開学と同時にラテン音楽部として発足した軽音楽部。創立以来ビッグバンド形式でジャズを中心とした楽曲を演奏してきました。
毎年、定期演奏会、大学祭、フラワーフェスティバル、広島ビッグバンド・フェスティバル、単独ライブなどで息の合った演奏を披露。現在の部員は28名で、修道大学の学生なら誰でも入部可能。興味のある方はインスタグラムから気軽に問い合わせを。

◆広島修道大学軽音楽部 HCC Cuban Knights 第88回定期演奏会

ビッグバンドならではのスケールの大きな演奏が魅力の広島修道大学軽音楽部の定期演奏会。今年は岡山大学JAZZ研究会をゲストに迎えて開催。学生らしい熱いステージに期待。
時/12 月6 日(土)17:30~
会/青少年センター ホール
料/1,000 円※高校生以下無料
問/InstagramまたはX @hcccubanknights
●発行500 号
「to you」11 月号特集〈「to you」発行500号記念!これまでの歩み〉が面白かったです。創刊から表紙がどんどん変わり、芸能人や文化人のイラストになっていったのですね。広島の主な出来事も読むと懐かしく感じます。(東広島市 本田美穂さん)
☆ 昭和の創刊号から令和の最新号まで、振り返ると広島の文化にまつわる出来事も時代とともにさまざまな変遷があったことが分かりますよね。バックナンバーは図書館で閲覧することができますのでよろしかったらご覧ください。(図書館によって保存号が異なります)(編)
●テンジクネズミにびっくり
「to you」をいつも楽しみにしています。11 月号「安佐ZOO に暮らす動物たち」で紹介されていたテンジクネズミの縦社会や、毛色や毛並みの差が大きいことにびっくりしました。文化の日の無料開放、お得な日があると思うだけでうれしいです。 (安佐南区 あゆこさん)
☆ 安佐動物公園の技師さんだからこそ知っている動物の意外な側面が分かって面白いですよね。来年の文化の日も広島市の気になる施設にお出掛けしてみてください♪(編)
●歯を大切に
私は歯を大事にしている。夜に歯の食いしばりがあり、ある日左の前歯が欠けてしまった。かかりつけの歯医者さんで診てもらった結果、夜だけマウスピースを使用することになった。それ以降、噛む力、咀嚼力を気にするようになった。食事は人生最高の楽しみの一つといわれている。かかりつけの歯科医院で登録をすると80 歳で20 本歯があれば表彰状、認定書がいただける。長生きをするためにも引き続き歯を大事にしたい。 (南区 悦治さん)
☆ 歯は健康の元、食いしばる癖があると頭痛などにもつながるようですね。長年の噛み癖を直すのは意識が要りますが、肉などの美味しいものを食べ続けられるために、頑張れそうですね。(編)
「Mail Box」に投稿してくださった方には抽選でプレゼントを進呈いたします。
❶八丁座・サロンシネマ共通鑑賞券(12月末日まで有効)(3組6名様)
❷木村伊兵衛 写真に生きる(5組10名様)
❸あきクラシックコンサート「ドラマティック・クラシックス」(2組4名様)
❹茂山狂言会鑑賞会(昼の部・夜の部 希望の部を選択/2組4名様)
投稿は、投稿フォーム、FAX、郵送で受け付けています。詳しくは「『Mail Box』への投稿はこちら」からご確認ください。
◆応募締切/12月10日(水)当日消印有効 ※❶のみ12月5日(金)必着

着ぶくれて 犬にひかるる 散歩かな
山野 啓子(第33号一般の部・俳句部門)
ねむいのを ガマンしてまつ サンタさん
池堂 すみれ(第33号ジュニアの部・小学生高学年・俳句部門)
(公財)広島市文化財団 企画事業課「to you」係
TEL.082-244-0750 FAX.082-245-0246