「to you」2026年11月号
令和8(2026)年10月25日(日)発行
令和8(2026)年10月25日(日)発行
昨年度の様子
『ピーチズ・ゴーズ・バナナズ』
©Pantelion 2.0, LLC

イラスト/田中聡
望月 遊馬さん(もちづき・ゆま) 詩人
1987年広島県広島市生まれ。若者の暮らしを描くスタイルから、地元広島の郷土を描くスタイルへと変遷しつつ、定期的に詩集の出版、詩誌への参加を行っている。
【主な受賞歴】第44回現代詩手帖賞受賞、第26回歴程新鋭賞受賞、第62回歴程賞受賞
【詩集】『海の大公園』(2006年poenique)、『詩のリレー2』共著(2007年ふらんす堂)、『焼け跡』(2012年思潮社)、『白くぬれた庭へ宛てた手紙』(2014年カニエ・ナハプロデュース)、『水辺に透きとおっていく』(2015 年思潮社)、『水門へ』(2017 年archaeopteryx)、『もうあの森へはいかない』
(2019年思潮社)、『燃える庭、こわばる川』(2022年思潮社)、『光を射よ!』(2023年カニエ・ナハプロデュース)、『白くぬれた庭に充てる手紙』(2024年七月堂)
公式ホームページはこちら
『第35回市民文芸』作品募集の開始にあたり、審査員で広島市出身の詩人、望月遊馬さんに作品作りや詩の魅力について伺いました。
■詩を書き始めたきっかけ
小学2年生のときに両親にワープロを買ってもらいました。詩のようなものを書きはじめたのもそのタイミングです。誰に強制されたわけでも
なく気づいたら自然と書いていました。だからなのか飽き性のわたしも詩だけはずっと続いています。書き始めには、谷川俊太郎さんの「ことばあそびうた」に憧れて、その真似をしていました。子ども心に谷川さんの作品に魅了されていたのだと思います。書きためた詩はフロッピーディスクに保存したり、印刷して読みかえしていました。
■詩が生まれるとき
にわとりが卵を産むように、短時間でするっと書けてしまうことも、十代の頃にはありました。最近は時間をかけて書いていることの方が多いです。ことばが、まるでパズルのピースのひとつひとつであるかのように感じることがあります。そんなパズルのピースのいろんな組み合わせを検討しながら、納得のいく表現を探しています。最近は、広島を中心とした中国地方の郷土や史跡などを取材して詩を書くことも多いですね。あちこちの史跡を訪れるのは小旅行の気分も味わえて楽しいです。宮島に伝わる七不思議について書いたことや、山口県の二位ノ浜海水浴場の石碑について書いたことなどが特に記憶に残っています。
■詩の魅力
ことばを自由に使えることは詩の魅力です。好きな時に好きなことを書ける。そのように詩は自由な形式を持っています。けれども自由だからこそ、さまざまな工夫をしなければならないとも言えます。リズムや、語感も大切です。そういったことに気を配るのはとても難しいことですが、だからこそ納得のいく表現を探すことは大きな目標になります。人生を過ごしていくなかで感じる気持ちや記憶を、ときには慎ましく、ときには大袈裟に書けることも魅力のひとつであるように思います。詩は真実を書いてもいいですけれども、嘘を書いても良いと思うのです。嘘だったはずのものも、詩にした途端に意味のあるものに変換されていく感覚があります。
【文芸作品募集】『第35回市民文芸』作品募集
1981年(昭和56年)から続く市民のみなさんの文芸作品を募集する事業です。入賞・入選作品は、作品集『文芸ひろしま』に掲載されます。
作品募集の詳細はこちら
~審査員の望月 遊馬さんより~
『市民文芸』作品募集開始にあたり
わたしは普段、さまざまなバックグラウンドを持つ方々の詩を読む機会がありません。ですので、皆さんのそれぞれの言葉の色彩、リズム、語感を感じながら、楽しんで拝読できればと思います。ぜひ気軽に応募されてください。ひとつひとつ、大切に拝読したいと思っています。
『文芸ひろしま』のバックナンバーを読んで
自分の人生に根差した作品、自分の人生から飛翔した作品などさまざまなタイプの作品があるなと思いました。そしてそういった作品を拝見することは、執筆者の心の動きを理解する試みであったりします。それは他者から知恵を分けてもらうような感覚です。そんな感覚も感じられる『文芸ひろしま』は、力のこもった深い作品がたくさんあるなと改めて思いました。
| 国内飼育は珍しく、迫力ある角が特徴。 アフリカスイギュウ編 |
![]() 林 臨太郎さん(技師) |
テレビ番組などで、アフリカの草原を歩くアフリカスイギュウの姿を見たことがある人は多いのではないでしょうか。
アフリカスイギュウは、アフリカ大陸のサハラ砂漠より南に広く分布する大型の草食動物です。現地では比較的よく見られる種のようですが、日本では意外にも飼育している施設が少なく、なかなか見ることができません。現在、国内で飼育している動物園は4園で、安佐動物公園もその一つです。
「スイギュウ」と聞くと、アジアスイギュウを思い浮かべる人もいるかもしれません。両者は同じウシ科ですが別の動物で、アジアスイギュウには家畜として広く飼われているものもいます。日本では沖縄の竹富島などで水牛車としてスイギュウが車を曳く観光アクティビティがあり、乗ったことがある方もいらっしゃるかもしれません。
アフリカスイギュウでまず目を引くのが大きな角です。雌雄どちらにもありますが、特に雄では大きく発達し、左右の角の付け根が額を覆うように見えます。体重は500~800 キロほどで、一般に雄の方が雌より大きくなります。
野生では草原やサバンナ、水辺などで群れをつくって暮らします。大きな体と角をもち、群れで一緒に行動して身を守るため、捕食者であるライオンにとっても簡単な獲物ではありません。子どもが狙われることが多いようですが、大人たちが集まって立ち向かい、ライオンを追い払うことも多々あるようです。
そんな力強い動物ですが、動物園では草を食べたり、ゆったり休んだりするいわゆるウシらしい穏やかな姿も見ることができます。
安佐動物公園では現在2頭の雌を飼育・展示しています。雄より角はやや小さいものの、近くで見ると十分な迫力があります。ずっしりとした体つきや角の形、動きなどをじっくり観察し、その姿からアフリカのサバンナでの暮らしまで想像してもらえたらうれしいです。
「安佐ZOOに暮らす動物たち」は3ヶ月毎に掲載します。
『朗読詩 ひろしまの子』
詩:四國五郎
絵:長谷川義史
BL出版
1,760円(税込)
8月末、泉美術館での「見つめるまなざし 長谷川義史の絵本原画展」に行き、やっと原画の「ひろしまの子」たちに会うことができました。
この絵本は、長年、反戦平和活動に取り組んでこられた詩画人・四國五郎さんが、1980年8月6日の原水爆禁止世界大会の1万人の前で読まれた「朗読詩 ひろしまの子」に、絵本作家の長谷川義史さんが、終戦80年の年に絵本にされたものだそうです。
ページを開くと、被爆前の子どもたちの澄んだ目は、私のことをじっと見ているようでもあり、私たち日本人、そして世界の大人たちの行動と未来を見ているようで、思わずハッとさせられます。この絵本は、子どもたちはもちろん、大人の我々が読むべき本だと思います。
廿日市市生まれ。広島大学落語研究会出身。広島演芸協会会長。1998 年「国民文化祭おおいた」の落語部門で優勝。現在、働きながら各地で落語をするとともに、「てい朝落語教室」や「ヲルガン座落語部」など3か所で落語の指導をしている。
●過去と現代のカフェを絵で味わう
甘い香りに誘われて10/3、ひろしま美術館「”カフェ”に集う芸術家」を鑑賞。ピカソやモノクロ映像もあり当時の活気がある様子も知れた。そして、自分へのご褒美Timeに突入! カフェ・ジャルダンで限定メニューパリブレストを食した。乙な味だった。全体が程よく冷えており、周りを縁取るソースが良いアクセントになっていた。パイ生地の中のクリームも程よい甘みだ。過去のカフェと現代のカフェが味わえる素敵な展示会でした。 (南区 悦治さん)
☆ カフェを通して社会の明るい部分と裏側が垣間見られる特別展でしたね。ドガの踊り子はモデルにポーズを取ってもらったのか、踊っている所を描いているのかが気になりました。(編)
●健康科学館の記事を読んで
to you10月号で紹介されていた健康科学館。骨と筋肉がテーマということで小学2年生の息子と訪れてみようと思います。何度か行ったことがありますが毎回新しく発見することもあり、子どもだけでなく母である私も好きなところです。閉館までにもっとたくさん行きたいです。
(東広島市 本田美穂さん)
☆ 鼻の穴の中に入ったり腸を伸ばしたりと、常設展だけでも楽しめる施設ですが、企画展はより人体の細かな仕組みが知れそう。息子さんにとって理科に興味を持つきっかけになるといいですね。(編)
●活動50周年
市内で活躍されている社会人落語家の秋風亭てい朝さんが活動50周年を迎えられたとのこと。本当におめでとうございます! てい朝さんの落語を生で見たのは数度しかありませんが、軽妙さの中に哀愁もあり、迫力もある。江戸時代の庶民の話なのにまるで隣人のことのように身近に感じられて、泣けるわ、笑えるわ。落語会は市内各地で開かれています。また機会があれば足を運びたいです。 (安佐北区 アネモネさん)
☆ 今月号のP6で本をご紹介いただいているてい朝さん、to you の表紙にもなったことがあります。地元で気軽に落語が楽しめるのはてい朝さんの活躍のおかげかも。これからも応援していきたいですね♪(編)
「Mail Box」に投稿してくださった方には抽選でプレゼントを進呈いたします。
❶ジョージ・ハリオノ ピアノリサイタル(2組4名様)
❷広島映画サークル第451回例会「型破りな教室」(3組6名様)
❸千崎千恵夫 眼差しの奥にむかって(5組10名様)
❹広島プロミシングコンサート2026(3組6名様)
投稿は、投稿フォーム、FAX、郵送で受け付けています。詳しくは「『Mail Box』への投稿はこちら」からご確認ください。
◆応募締切/11月10日(火)当日消印有効 ※❶のみ11/5(木)必着

夕暮るる 峰の背後は茜色 金星と三日月 並びて輝く
大本 タツ子(第34号一般の部・短歌部門)
紅葉の葉 秋を伝える 手紙かな
上原 惇宙(第34号ジュニアの部小学生高学年・俳句部門)
(公財)広島市文化財団 企画事業課「to you」係
TEL.082-244-0750 FAX.082-245-0246