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文化情報マガジン「to you」
令和7(2025)年12月18日(木) 更新

特集
市民文芸作品集 「文芸ひろしま」第34号発刊

「文芸ひろしま」は、広島で暮らす人々の公募による「市民文芸作品集」です。第34号は、詩、短歌、俳句、川柳、小説、エッセイなど多彩なジャンルの応募作品3,795 点の中から厳正な審査を経て決定した入賞・入選作品437 点を収録。掲載作品の中から、一般 詩部門1席とジュニア・学生高学年 詩部門1席の2作品を紹介します。ぜひお手に取って、全作品をお楽しみください。

「約束」
       大下 香  
川のほとり
大気を染めて鳴り出だす
銀杏(いちょう)の一本(ひともと)
黄色い学童帽子が
散り敷いた葉っぱのように
まあるく弧を描いた
そのま中
ひとつ呼吸(いき)をして語り始めた

君は手を固く握りしめて
まばたきもしないで
こぼれる涙もそのままに
葉っぱのひとひらが
一羽の小鳥のように
肩に乗ったことさえ気づかないで
まっすぐなまなざしを向けた
            私へ

君がつぶやいた関西弁は
どこか優しい
 「今 お父さんお母さんが
  いっぺんに死なはったら
  ぼく ぜったい生きていかれへんわ」
原爆孤児らの一葉の前
 「しんどいのに
  笑うてはるわ」
本館最後を見送る
早世の笑顔の一葉に
足を止めて

覚えていてね
コトンコトンと相生橋を渡る
路面電車の音
覚えていてね
葉っぱのさよならを誘(いざな)う
かすかな風

覚えておいてね
空の高いところから降りかかる
秋の光の金の鈴
そして
  元安川に映る原爆ドームを

故郷(ふるさと)へ向けて動き出す
バスの窓をこじ開けて
手を振る私へ
君が声をはり上げたんだ
 「伝えるよお」

あの約束を
覚えてゆくよ
何度も
何度も

「世界の目ざましどけい」
        八木小学校四年 稲田あい
空に朝日がのぼったら
ねむる小鳥は目をさます
木はそよそよと葉をゆらし
雲はゆっくりうごきだす

空に朝日がのぼったら
月はねむりについていき
星もねどこへ帰ってく
今日も朝日がのぼるから
世界の朝が始まるよ

朝日は世界の目ざましどけい

 

【販売場所】
●紀伊國屋書店:広島店(アクア広島センター街)/ゆめタウン広島店/ゆめタウン廿日市店
●フタバ図書:TSUTAYA アルティ アルパーク北棟店/TSUTAYA TERA広島府中店(イオンモール広島府中内)
TSUTAYA MEGA 中筋店/TSUTAYA GIGA祗園店(イオンモール広島祗園内)
TSUTAYA横川店
●啓文社:ゆめタウン呉店
●廣文館:BOOK GALLERY KOBUNKAN(広島駅ミナモア内)/フジグラン広島店/フジグラン高陽店
●ホリデイ書店
● JMS アステールプラザ情報交流ラウンジ
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1,300円(税込)

問:(公財)広島市文化財団 企画事業課 TEL.082-244-0750 FAX.082-245-0246

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